健康経営ヒアリング〈前編〉

最終更新日:2021年9月14日

ヒアリングの目的

健康経営エキスパートアドバイザーが企業の健康経営の実践をサポートする最初のステップがヒアリングです。サポートの目的は、一方的に健康経営の課題やその解決についての知識を押し付けることではなく、経営者自身に気づきを与えて実際の行動へと導くことです。私達も心当たりがあるように、人はみずから納得して初めて本当の意味で「行動」しますので、説得として外部から与えられるのではなく、自分の中にある答えに気づき納得していただくことが大切です。経営者の方に健康経営の構造の本質を理解していただいた上で、適切な問題意識を共有し、現状把握と職場の課題を抽出し、解決策としての取り組みを企業の状況に応じて一緒に考えていくことが大切です。ヒアリングは健康経営サポートの最初の入り口であり、単に聴取するだけではなく、上述した全体の目的をしっかり意識して行うことが求められます。

ヒアリングの心構え

では自分の中にある答えに気づき納得していただくためにどうすれば良いのでしょうか。健康経営エキスパートアドバイザーは知識や実務経験に基づいて答えを相手に教える「ティーチング」だけでなく、相手の内にある答えを引き出す「コーチング」のスキルが必要です。専門家としてついつい一方的に指導してしまいたくなりますし、ヒアリングの最初は経営者や担当者も新しい経営手法である健康経営に対して多少なりとも抵抗感を持っておられることが一般的ですので、コーチングという観点に重点を置きすぎる意識のほうが良いかもしれません。

コーチングではミラーリング(相手の動作を真似する)、ペーシング(相手の話し方を真似する)、キャリブレーション(表情やしぐさから相手を推察する)、バックトラッキング(オウム返し)の4つの代表的なテクニックを用いて信頼関係「ラポール」を構築します。このラポールの形成を踏まえながらヒアリングでは、①承認、②傾聴、③質問の3つを意識します。経営者や担当者に対して批判・比較・評価することは求められておらず、相手の存在と成果をしっかりと認めて相手の話にうなずきや相づちとともにしっかりと耳を傾けて聴く姿勢が問われます。質問は自分が知りたいことを聞くのではなく、相手の視点を変えて気づきを促したり視野を広げることが大切です。

ピアリングの留意点と訪問前準備

ヒアリングについての留意点として、

  1. 経営者の問題意識と考え方
  2. ヒアリングシートの確認

の2つがあります。1はどのような問題意識から健康経営の取り組みをするのかを把握することは適切なアドバイスをするうえで不可欠ですし、健康経営には会社の歴史、創業時の想い、創業の精神といった経営理念といった経営者の「考え方」が如実に反映されます。また2ではその「考え方」に対してヒアリングシートで経営者が何を意識していて、何を意識していないかが把握出来ますので、客観的にやるべきことや必要性に「気づく」ことで自発的な取り組みに変容することが期待できます。出来ていると意識されていても実際には出来ていなかったり、出来ていないことの背景には問題の構造や具体的な解決のヒントが隠れていたりしますので、ヒアリングシートを用いたヒアリングでは背景まで深堀りしていきます。

このような深堀りしたヒアリングのためには訪問前の準備が欠かせません。企業のホームページで経営理念や扱っている商品、業界の動向やトピックとして業界が好調か不況か、働き方の特徴や同業他社がニュースで何か取り上げられていないかなどを確認します。またヒアリングシートから事前に疑問点や仮説を想定しておくことでヒアリングに余裕も生まれます。

次回はさらにヒアリングの具体的なポイントや訪問時に確認する内容についてご紹介します!

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